新着記事
パートと正社員が同待遇、イオンリテールの労組が求めてきた「新時代の働き方」
全国約350店舗を展開する大手スーパー、イオンの従業員が加入するイオンリテールワーカーズユニオンは、2023年春闘でパート従業員に対する賃金引き上げ総額7%の満額回答を得た。イオンリテールは、売り場のリーダーなど正社員と同じ仕事を担うパートについては、賃金や待遇も正社員と同等にする新たな制度も導入した。パートの待遇改善における労組の役割などについて、同ユニオンの専従役員を務める3人に聞いた。(ライター・有馬知子)
左から鈴木氏、濱本氏、中川氏
高級ブランド「セリーヌ」で買った新品バッグに不具合…「交換」じゃなくて「有償の修理対応」が法的に正しいの?
高級ブランド「セリーヌ」で購入した新品バッグに不具合があったので、交換してもらおうと問い合わせたところ、有償の修理対応になると言われた――。そんな投稿がXで話題となっています。
この投稿には、金具が硬すぎてバッグが閉まらない様子の動画も掲載されています。
投稿者が店側に問い合わせると、店舗で購入する際に「実際に見てご納得した上で購入しましたよね?」という理由で、有償修理の対応になると説明されたといいます。バッグは約57万円で未使用とのことです。
弁護士ドットコムニュースの取材に対して、セリーヌは商品の初期不良への対応について、次のようにコメントしています。
「未使用の店舗ご購入品に初期不良が認められた場合には、無償修理や返品・交換の対応をおこなう場合がございます。ご使用後や、お客様起因(例:外的要因・水濡れ等)での破損の場合には、保証期間内2年以内であっても有償のお修理でのご案内となります」
その後、投稿者はセリーヌ側が謝罪し、返品となったと明らかにしていますが、一度持ち帰ったら、購入者側の過失になってしまうことはあるのでしょうか。上田孝治弁護士に聞きました。
「海賊版サイト」ブロッキング差し止め裁判開始…NTTコム側は争う姿勢
「海賊版サイト」への接続を妨害する措置(ブロッキング)は違法だとして、NTTコミュニケーションズ(OCN)とプロバイダ契約を結んでいる弁護士が、同社を相手取って、差し止めを求めた訴訟の第一回口頭弁論が6月21日、東京地裁で開かれた。NTTコミュニケーションズ側は、原告の訴えを退けるよう求めた。
訴状などによると、契約上、約款で特に合意された場合を除いて、顧客はインターネット接続・閲覧をNTTコミュニケーションズに対して求めることができる。しかし、現在予告されているブロッキングの根拠となる規定が約款に存在していないという。
原告の中澤佑一弁護士は、接続を妨害する措置は、電気通信事業法に違反して、「通信の秘密」を侵害するものだと主張している。一方、被告のNTTコミュニケーションズ側は「妨害という用語は多義的で、どのような行為の差し止めを求めるか不明確だ」として、争う姿勢を示した。
NTTコミュニケーションズを含むNTTグループ3社は4月23日、準備が整い次第、ブロッキングを実施すると発表。NTTコミュニケーションズは6月21日、弁護士ドットコムの取材に「係争中の事案なのでコメントできない」としたうえで「現時点でまだブロッキングを実施していないが、方針に変更はない」と説明した。
戦後10例目の違憲判決をたった一人で勝ち取った異才、作花知志弁護士の「思考法」
女性だけが離婚から半年間、再婚できないのは「法の下の平等」を定めた憲法14条に違反する——。最高裁は2015年12月、この再婚禁止期間訴訟で、100日を超える部分については違憲とする判決を下した。
戦後10例目となる歴史的な「違憲判決」。原告の弁護人をたった一人で務めたのが、作花知志弁護士だ。この判決の日、勝利に喜びながらも、同じ会場で記者会見して涙していた人たちの姿が忘れられなかったという。実は同時に夫婦別姓を求める訴訟の判決も下され、「同姓は合憲」とされていた。
あれから2年、作花弁護士は新たに夫婦別姓訴訟を起こすことになる。ソフトウェア企業「サイボウズ」の社長、青野慶久氏ら4人の原告が今年1月、日本人同士の結婚で、夫婦別姓を選択できないことは憲法違反だとして、国を相手取って東京地裁に提訴。その弁護人を務めている。なぜ、最高裁判決が出たばかりの夫婦別姓訴訟に取り組み、再び憲法に問うのか。作花弁護士にインタビューした。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)
税滞納で差し押さえ、口座0円に 高齢女性が提訴「死のうかと」 原告代理人にきく
生活に苦しみ、国民健康保険税などを滞納していた宮城県のパート従業員の女性(60代)が、給与を全て差し押さえられたのは違法だとして、宮城県などに220万円の損害賠償を求めて仙台地裁に提訴した。第1回口頭弁論は2月25日にあり、被告側は争う姿勢を示した。
シリア渡航計画のフリーカメラマン敗訴、「旅券返納命令」取り消し請求棄却…東京地裁
シリアへの渡航を計画したとして、外務省にパスポート(旅券)を強制返納させられた新潟在住のフリーカメラマン、杉本祐一さん(60)が、国を相手取り、旅券返納命令と渡航先制限の取り消しを求めていた裁判の判決が4月19日、東京地裁であった。古田孝夫裁判長は、杉本さんの請求を棄却した。
杉本さんは2015年2月、中東の過激派組織「イスラム国」が勢力を伸ばしていたシリアに渡航して現地を取材する計画を立てていたところ、外務省からパスポートの返納を命じられた。その後、同年4月に新しいパスポートを発給されたが、イラクとシリアへの渡航制限が付いていたことから、「取材の自由」に反するなどとして、同年7月に提訴した。
杉本さん側は「渡航予定の地域は当時、クルド人組織の管理下にあり、ジャーナリストを対象にしたプレスツアーが開かれて、日本の報道機関の記者も参加していた。生命・身体に危害が及ぶ具体的危険性はなかった」と主張した。しかし、古田裁判長は「原告の生命・身体の安全を優先して保護しようとした外務大臣の判断が不当であるとはいえない」などとして、杉本さんの請求を棄却した。
杉本さんは、この日の判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。判決について、「非常に残念でショックを受けている」と感想を述べた。一方で、「報道機関にも及ぶような前例をつくってしまうことになる。そういうことはあってはならない」と強く訴えた。杉本さん側は判決を不服として、控訴する方針。
「オーウェルの豚にならぬよう」 地下鉄サリン30年、被害者の沈黙と記憶の継承をめぐって
地下鉄サリン事件から30年。私は、あの日まさにサリンの撒かれた車両に乗り合わせ、生死のはざまで命拾いした一人だ。事件後、報道のあり方や支援団体の構造、そして社会の「忘却」と向き合いながら生きてきた。
この文章は、私が体験したこと、そこから考えてきたことを社会の記憶として残すために書いたものである。今、私は「記憶すること」そのものを問い直しながら、被害者の声を未来に「紡ぐ」プロジェクトを始めようとしている。(映画監督・作家、さかはらあつし)
結婚式の余興、どうしても「裸踊り」で盛り上げたい! 法的に問題ない?
友人の結婚式の余興で「裸踊り」を考えている。法律上問題ないのかーー。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられた。
相談者の男性は、披露宴の場で、男性複数人が全裸で音楽に合わせてうちわで股間を隠す「裸踊り」をする計画を立てています。お尻は参加者に見せるそうです。
男性は問題がありそうだからやめたいと思っているそうですが、「話が仲間内で進んでしまって、せめてどこを気を付ければよいか困っています」と打ち明けます。
ふんどしや肌色のスパッツを履いたりすれば問題ないのでしょうか。また、動画で撮影したものを上映すればリスクは減らせるのでしょうか。髙橋裕樹弁護士に聞きました。
「誘って欲しかった」妻、セックスレスで離婚を決意…夫は「拒否されたのはオレ」と反論
婚姻届の提出から1年3カ月。セックスレスを理由に妻から離婚を要求された男性が、弁護士ドットコムに相談を寄せました。
男性は婚姻届を提出して結婚式を挙げるまでの3カ月、妻とのセックスを我慢していました。ですが、その間、妻と喧嘩。その際に言われた「愛していない」という言葉が許せず、そのままセックスすることはありませんでした。
「ひどい発言についてだけは謝って欲しい。そうじゃないとこちらからは(セックスに)誘えない」。男性はそう訴えましたが、結局謝ってもらえず、妻からも一切求められていない状況から「妻の拒否でのレス」と認識していました。
そうして1年が過ぎ、妻は「結婚した以上セックスする、誘うのは夫の役目で、レスの状態では夫婦ではなく、気持ちが離れた」と主張し、セックスレスを理由に離婚を要求してきました。
今回のケース、すれ違いでセックスレスに至ったようにも読めますが、男性側が一方的に悪いということになるのでしょうか。男女問題に詳しい近藤美香弁護士に聞きました。
焼き鳥店「串外しやめて」で激論、「バラしてシェア」する客を退店させることは可能?
焼き鳥は串から外してシェアしないでほしいーー。ある焼き鳥屋の店主が「焼鳥屋からの切なるお願い」として客への要望をつづったブログがネット上で議論を呼んだ。
店主の男性は、店にかかげた看板の画像とともに、焼き鳥を串から外して食べることに、「切った肉をフライパンで焼いても同じ」「絶対に美味しくない」と主張。「串から外さずガブりついて食べてください!!」と呼びかけていた。
ネット上では、「あれだけは許せない」「(同席した人にされると)食べる気をなくす」など店主の主張に賛同する声も多く寄せられたが、「知ったことか。好きに食うわ」「客の自由」など、食べ方を指定することについて疑問の声もあがっていた。
一般的に、店主は「食べ方の指定」という形で客に強制することはできるのか。従わない客を退店させることはできるのか。石崎冬貴弁護士に聞いた。