人物紹介
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所属弁護士会
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- 所属弁護士会
- 東京弁護士会
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- 弁護士登録年
- 1989年
大久保 誠 弁護士の法律相談一覧
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3年前に父が死亡して、土地がまだ父名義になっているのですが、
4人相続人がいて、土地を売ることに1人でも反対の場合、
土地は売れませんか?
Ⅰ.相続登記
まず、登記が死亡者名義のままですと、共同相続人の誰か一人に税務署から固定資産税納付通知書が送られ、その方が他の方の分まで立替払いを強いられることになります。従って、各相続人に対して各自の相続分に応じた固定資産税納付書が送られ、各自が自分の責任で納付するように、法定相続分に応じて、或いは、皆で合意した割合による共有持分を所得する内容の相続登記をしましょう。この相続登記は、将来、土地を売却するときにも必要となる手続ですので、皆の協力が期待できます。
2.相続登記のための遺産分割協議
次に、相続登記をするためは法定相続分、或いは、合意による割合に応じて各自が共有持分を取得する遺産分割協議書(原因証書)を作成することになります。この場合、分割協議書が作成されれば、その土地は単純な共有不動産となりますので、いつでも現物分割や代償分割、価格分割(売却換金)を請求できるようになります。
3.共有物分割の訴訟提起や調停申立
土地の遺産分割協議書が作成されても、分割方法や売却方法について意見が対立する場合、一人は他を相手にして裁判所に共有物分割の訴えや調停を申し立てることができます。この結果、公正な第三者(裁判官や調停員)の立会および説得による定期的な話し合いの場が確保されます。
4.合理的な任意売却の選択
共有物分割訴訟の場合、分割方法や売却方法について協議が整わなければ、裁判所は半年程で競売の命令(判決)を出すことになりますが、競売は値段が安くなりますので、これを避けるため、判決までの間に、裁判所の助言を得ながら、複数業者(一般媒介)による買付額の比較や有力不動産仲介業者による入札方式など有利な売却方法を検討することになります。その結果、皆で合理的な売却方法についての合意形成(和解)に至ることが期待できます。
5.皆さん、身内を相手方にして裁判することには抵抗があると思いますが、不動産業界は消費税増額前の今が物件仕入れの好機と見ており、もし換金を急がれているのに話が進まないのであれば、裁判所を利用して話合いを進めることも有力な方法です。相手を訴えると言っても、手続として利用するだけのことであり、それが全員の利益にかなうことを事前に説明し、皆さまの理解を得て頂きたいと思います。