この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
依頼者さんは、片側一車線の優先道路をバイクで走行していたところ、交差点の左方から進入してきた自動車に衝突されました。事故の衝撃により、バイクや着用していたヘルメット等のの携行品が損傷してしまいました。バイク好きの依頼者さんは、バイクに多くのカスタムパーツを取り付けており、バイク本体だけでなくカスタムパーツを含めて賠償してもらうことを希望していました。しかし、相手保険会社からの賠償提示では、カスタムパーツ無しのバイク時価のみで金額が算定されており、またヘルメット等の携行品についての賠償もありませんでした。相手保険会社からの賠償提示が納得できず、ご相談にいらっしゃいました。
解決への流れ
まずバイク本体の時価について、提示されている金額が少し低く思われたため、市場価格を調査し、時価額を提示し直しました。次にバイクカスタムパーツについても、30パーツくらいありましたが、パーツ1つ1つの価格を調べ適正な金額を算定するとともに、本件事故により大きく損傷していることから外して使い回すことができないことを主張して、賠償提示をしました。また、ヘルメットやグローブ等の携行品についても、金額や購入時期を調べて、賠償提示しました。交渉の結果、ご依頼いただく前の提示金額から、2倍以上の金額で示談するに至りました。
事故により車両が全損となった場合には、事故時の車両時価額が賠償範囲となります。本件のようにバイク本体にカスタムパーツが多く付けられている場合、所有者さんにとってかけがえのない車両になりますが、時価額として高くなるのか、逆に減ってしまうのかは非常に難しいところがあります。本件では1つ1つのパーツの金額を調べて主張することで、バイク本体の時価額に加えてカスタムパーツ・携行品を含めた賠償を引き出すことができました。残念ながら保険会社の中には、被害者の方が損害賠償について詳しくないことをそのままに、裁判上適正ではない金額を、あたかも適正であるかのように説明していることがあります。そしてそのまま示談することで、知らず知らずのうちに損をしてしまっている被害者の方も多くいらっしゃいます。提示されている金額が適正であるのか、増額が可能なのかについて、丁寧にご説明し、依頼者さんにとって適切な選択をしていただきたいと思っています。交通事故に遭われた被害者の方は、依頼まではしなくとも、一度弁護士に相談してみることをおすすめいたします。