この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
依頼者は、私の所にご相談にいらっしゃる1年程前に、他の弁護士事務所に債務整理を依頼し、個人再生申立ての準備を進めていました。ところが、個人再生を申し立てる前にその弁護士事務所に辞任されしてしまい、さらに、債権者から給与を差し押さえられてしまったため、ひどく動揺された様子で私の所に駆け込んでいらっしゃいました。
解決への流れ
既に債権者から給与を差し押さえられていたため、個人再生を申し立てると同時に強制執行の中止を申し立て、早急に給与差押えを止める必要がありました。辞任した弁護士事務所から依頼者宛に送られてきた資料を精査し、不足している資料を準備して迅速に申立てを行いました。申立ての翌日に強制執行の中止命令が出されたため、債権者に対して強制執行の取下げを促し、申立ての4日後には強制執行が取り下げられて給与差押えが解除されました。その後、個人再生手続は順調に進み、無事、再生計画認可決定を得ることができました。
当初依頼していた弁護士事務所が辞任してしまった事情をお聞きすると、依頼後は弁護士ではなく事務員と電話でやり取りをするようになり、資料の提出もすべて郵送で行うことになっていたため、資料収集が思うように進まなかったとのことでした。資料収集が進まず申立てに時間を要してしまったことが、債権者から給与の差押えを受けるという事態を招いたと思われる事案でした。弁護士事務所によっては、依頼後に弁護士とコンタクトを取ることが難しくなる事務所もあるようです。私は、依頼者からの電話には直接対応しておりますし、必要に応じて事務所での面談も行うようにしており、常に依頼者の状況を把握しながら事件処理を進めるよう心がけています。