この事例の依頼主
20代 男性
相談前の状況
下請け企業の従業員であるご依頼者は、工事現場の解体作業に従事中,下請け企業及び元請け企業の安全管理体制の不備により負傷しました。企業側は本来であればご依頼者に支給されるはずの傷害保険金を,ご依頼者から委任を受けたことにして不当にも保持し続けていました。当事務所はご依頼者の代理人として、怪我の損害の賠償及び保険金の返金を求めましたが、企業側はこの要求に応じようとしませんでした。そのため,①安全配慮義務に基づく損害賠償及び②保険金の返還を求め,訴訟を提起しました。
解決への流れ
相談当初より,企業側の不当な対応が見受けられため,訴訟による解決を意識して手続きを進めることとしました。①対元請け企業も含めた安全配慮義務違反に関する裁判例の調査・分析(対元請け企業を含む),②安全配慮義務に違反する事実,過失,損害を立証するための証拠の収集活動,③予想される相手方からの反論(安全配慮義務を負わない,依頼者に事故に遭った過失がある等)への反証活動などを1つずつ丁寧に行うことを心掛けました。その結果,裁判所が安全配慮義務違反などに関する当方の主張を認める心証を示し,①下請け企業及び元請け企業が原告に和解金合計約280万円を支払う,②保持中の保険金約130万円を原告に返還するという内容の勝訴的和解が成立し,解決に至りました。
いわゆる労災事故絡みの事案では,①労災保険の認定の問題,②安全配慮義務違反などの損害賠償の問題,③従業員にかけられた傷害保険などの任意保険の問題など,異なる保険制度や損害賠償制度など複数の手続きが絡み,一般の方々にとっては直面している事案の複雑さに気が滅入ってしまったり,請求漏れが生じていたりするケースも多く見られます。そのため,この種のご依頼を受けるにあたり,当事務所では,該当する可能性のあるそれぞれの保険・賠償制度の内容を踏まえた丁寧な対応を心掛け,各事案に適した解決を目指しています。この案件も,そのようなサポート方針の下,適切な解決に導くことができました。