この事例の依頼主
50代
相談前の状況
マンションへの投資を電話で勧誘され、銀行から借り入れてマンションを購入したところ、複数の業者からマンションへの投資を勧誘されるようになり、銀行で借り入れてマンションを購入することを繰り返してしまったとのことでした。マンションから入ってくる家賃は借金の返済をするには全く足りない状態で、借金の額が1億5000万円を超えてしまっていました。数年後には約2000万円もの退職金が入ってくる予定でしたが、それでも返済には到底足りないという状態でした。
解決への流れ
借金の金額が大きすぎて、個人再生(裁判所の手続で借金を減額して返していく手続)は不可能でした。収入に見合わない過大な投資は、免責不許可(借金を返さなくてよいという決定が出ずに借金が残ってしまう)となる事由にあたりますが、このようなマンション投資は消費者被害的な面もあるため、裁判所の裁量で免責をしてもらえる可能性が十分にあることから、破産を申し立てることを勧めました。退職金が支払われてから破産をすると支払われた退職金のほぼ全額が債権者への配当に充てられてしまうことになりますが、支払われる前であれば原則として退職金の8分の7は手元に残すことができるため、破産を申し立てるという意思決定をできるだけ早くしていただくようお願いしました。
速やかに破産申立てを行い、破産管財人が選任されて手続が行われ、退職金の8分の7を確保したうえで、免責の決定を得ることができました。マンションへの投資は業者に乗せられてしまったような面があり、返済に追われて大変な苦労をされたと思いますが、退職金の8分の7を確保して免責の決定を得ることができ、退職後も安心して生活していけるようになって、本当に良かったと思います。