犯罪・刑事事件の解決事例
#医療過誤

双胎(双子の胎児)につき経過観察を怠り、双胎間輸血症候群により1児を胎内で死亡させた事案。

Lawyer Image
安倍 久美子 弁護士が解決
所属事務所九州合同法律事務所
所在地福岡県 福岡市東区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

双胎につき里帰り出産予定で相手方(開業医)で経過観察を受けていた。2児とも元気であると説明を受けていたが、「分娩が進んだ」との説明で大学病院に転院したところ、「1児はすでにおなかの中で亡くなっています」と言われた。1児は大学病院で出産したが、どうしてこんなことになったのか知りたい、防ぐ手だてはなかったのか、との疑問を感じて両親が相談に来られました。

解決への流れ

相手方と大学病院の医療記録を検討し、相手方医師、大学病院医師と面談したところ、本件は双胎間輸血症候群(1児に羊水過多、1児に羊水過少が生じ、適切な管理を怠ると両方の児が死亡しかねない病態)を発症する危険のある特殊な双胎であり、大学病院など環境の整った病院で管理することが適切な双胎であるが、相手方では適切な管理・経過観察がなされず、1児が死亡するに至ってもしばらくの間気づかなかったということが判明しました。適切な双胎管理がおこなわれていれば、亡くなられた1児は無事に生を受けることができたはずとして損害賠償請求をしたところ、相手方が過失を認める形で訴訟前に和解をすることができました。

Lawyer Image
安倍 久美子 弁護士からのコメント

出産のために転院したはずなのに、転院するなり、おなかの中で赤ちゃんが亡くなっていたと聞かされたお母さんは、号泣されたとカルテに書かれていました。本当にやりきれなかったと思います。後医である大学病院の医師には、診療経過につき丁寧に説明を受けることができ、解決の一助となりました。