この事例の依頼主
70代 女性
相談前の状況
長年連れ添った夫の死後、夫に愛人がいることがわかり、その愛人の子を名乗る者から認知の請求がありました。相談者は、認知請求を争いたい意向を示すとともに、仮にその子が夫の子と認められた場合、遺産分割のやり直しをすることになるのではないかと危惧され、弁護士に相談しました。
解決への流れ
まずは、認知請求訴訟に補助参加という形で参加しました。親子関係を疑わせる事情を立証しましたが、DNA鑑定が実施された結果、親子関係が認定されました。その後、相手方からは、予想どおり、遺産分割のやり直しを求める調停の申立がありました。遺産はほぼ自宅不動産のみでしたが、この持分を相手方に譲渡することは現実的な解決方法ではありません。そこで、相続分に応じたお金(代償金)を支払う方向性で話し合いを行いましたが、当方は、相手方が生前多額の援助を受けていたことなどを主張し、本来の代償金額よりは少ない金額で合意に至ることができました。
認知の訴えに関しては、DNA鑑定という確固たる結論が出てしまった以上、争うことはできませんでしたが、訴訟に参加して親子関係を疑わせる事情を主張できたことで、相談者の納得感も違ったように思います。遺産分割に関しては、自宅不動産を守るという大前提のもと、相手方の望む一括払いを実現することで、できるだけ負担の少ない解決を得られることができました。